こんなにがっかりしたのは東野圭吾の本だから?

 

希望の糸

希望の糸

 

 東野圭吾著の『希望の糸』を読んだ。

これ程にがっかりしたのは久しぶり。東野圭吾さんの本だから面白いはず!!発売日を楽しみに待っていた。読み終わって、不満が爆発しそうだった。

不満に思うことは、まずは登場人物が偽善に溢れすぎていること。体外受精で受精卵取り違えが発覚する。それで、生物学的に繋がりのない子どもを育てていた。そして、母親が白血病で死んでしまって、思春期を迎えた娘とのコミュニケーションの難しさを感じて、本当のことを話したほうが良いと思い悩む……意味が分からない。今更という感じ。最初から分かっていたのに、遺伝子上のつながりがないことが原因で、罪もない子どもに精神的な苦痛を与えようとしている父親はどうしたものか?その割には、子どもの幸せが大事であると偽善ぶっているし……。養子であっても生みの親より育ての親という言葉がある通りに、育ってきた環境が大事であると思う。もう一つは、料理人の男性がいて、母親と結婚。母親は老舗の旅館の跡取りを生まないといけないという話だた。そして、子どもが生まれたが、父親は別居する。理由は、母親がレズビアンだった。でも、母親が事故で身体的に障害を負ってしまった。責任感が強い父親は母親の看病をしないといけないのと旅館の経営もしないといけないということで、残りの人生を娘の成長と母親の看病に明け暮れる。何かおかしくない?母親はレズビアンであって、だまして結婚したのに、事故で身体障碍者になった母親のめんどうを見続けるとかあるものなのか?自分の娘に愛情があるならば、その家を出て、別の所で暮らしていくだろう。この父親は、良い人だかららしいが、ただ母親の旅館を手に入れたかったか、世間体を気にしてとしか思いつかないのだが……。こんな感じで、だまされても良い人だからということで、殊勝に献身的な行動をとる。こんな人間居ないだろう。陰で恨みつらみを吐き出していたと行間を読まないととか意見があるかもしれないが、なんで小説の不足部分を読み手が考えてあげないといけないのか?とも思う。この本は何かの啓蒙書なのだろうか?良い人すぎて、下らない内容だったという不満が爆発しそうだ。

これも東野圭吾さんのファンだったからだ。東野圭吾さんの本なら面白いのに間違いがないという幻想が崩れた瞬間だった。もっと期待していたのに……。これ以上、不満点を書いても仕方がないので、これで終わり!!