警察への苦言が辛辣な映画

 

 

バスターズ(字幕版)

バスターズ(字幕版)

 

 イタリア産のポリスアクション映画。

警察への苦言が多く含まれている映画だった。警察官が身内同士で庇い合い、不祥事をもみ消そうとしたこと。警察官の息子が暴力グループの一員だった。警察官同士で庇い合いなかったことにしようとしていた。警察官の中の1人が不正は見逃せないと、その息子を通報した。そうすると、その警察官は仲間内から無視をされて、警察をやめることになる。その警察官の最後の言葉は辛辣だった。「警察なら、まともな人生を歩めると思った」と。イタリアの警察の事情は全く知らないが、警察に不満を持つ人が多いのかもしれない。

映画中に出てくるさりげない一言だったが、「警察官が被害者になると、警察官は目の色を変えて、事件を解決しようとするが、警察官以外が被害者であると、ただの被害者の1人として、おざなりに事件に当たる。命の価値が平等ではなくて、不公平であり、市民を馬鹿にしている」と。どの国でも警官を被害者にすると警察は許さないという内容は良くあることだが、それを批判する内容は初めてみた。イタリアではそれだけ警察に対する不満が溜まっている一面がみてとれないか?

警察の批判ばかりが印象に残ったのは、映画があまりパッとしなかったからかもしれない。何か盛り上がりかけるアクションとストーリーが他に気を取られる原因だったかもしれない。ヨーロッパ産の映画に感じるこの部分は、ヨーロッパがあまり身近ではないからかもしれない。

警察への不満ばかりが印象に残った本作。ヨーロッパ通には垂涎の的かもしれない。しかし、暴動がおこるほどに熱狂するスポーツのサッカーは、それだけ地域に根付いてるのだろう。そういう風土が怖くもあるが、少し羨ましくも感じる部分だった。