【小説】石の猿(上)/ジェフリー・ディーヴァー

 

石の猿 上 (文春文庫)

石の猿 上 (文春文庫)

 

 ジェフリー・ディーヴァー著の『石の猿(上)』を読んだ。リンカーン・ライムシリーズの第4弾。

中国の密航船がアメリカに。その船にゴーストと呼ばれる蛇頭の頭がいた。ゴーストは国際指名手配をされており、リンカーン・ライムらはゴーストを捕まえようと捜査を開始した。

このシリーズは、アッと驚く展開が売りのシリーズなのだが、だんだんとその技法(読者の裏をかく)が頻繁に出すぎて、読むのに疲れるようになってきた。正統派の小説の中で、アクセントとしてその手法が現れるのならよいが、頻繁にはね。小手先の技術に頼りすぎてない?と穿った見方もしてしまう。本筋のストーリーは相変わらず、面白いが何か不満が残ってしまう。

20年ぐらい前の作品なので、まだアメリカ優位が圧倒してた時代。アメリカに希望を抱いた中国人。密航してまでもアメリカに渡りたいという願望。今の時代では、アメリカの幻想は、中国人の中で薄れてきているのかもしれない。

たしかに、安定して面白いリンカーン・ライムシリーズだが、1作目の衝撃には遠く及ばない。最新刊は第20弾ぐらいいっている?このシリーズの行き着く先とは?注目に値する。