熱帯／森見登美彦
物語の中に物語がある作品。「熱帯」という本があり、それが幻の本。その本は結末まで読んだ人がいない。その本の結末が知りたくて、多くの人が求めて、旅をする。
個人的に本に謎が必要なのか？ただ作品が中途半端なだけなのではないのか？とも思ってしまう。しかし、この本を読んで、本を読んで謎が残るのも1つの感想なのだろうなとも思う。この本がそうだ。この本の意味は何なのか？ミステリーとしては、謎が多すぎて、何も解決していない。著者の本に対する真摯な姿勢はひしひしと感じ、読書好きにはたまらないストーリーとなっている。どう考えればよいのか？究極のエンターテイメント小説とは何か？という問いに対する著者の1つの答えがこの本なのかもしれない。多分、読書に慣れた方でもこの本を1回読んだだけでは、全てを消化しきれないと思う。
時間が経ったら、再読したい本。
「千一夜物語」も読んだことがあるとこの本をもっと深く理解できるかもしれない。
