【映画】THE INFORMER/三秒間の死角
映画『THE INFORMER/三秒間の死角』を観た。
ギャング内で、FBIに情報を売る情報屋がいた。FBIの捜査に協力中に、NYPD(ニューヨーク市警)の潜入捜査官が殺されてしまう。情報屋は刑務所にいくことになり、FBIに切って捨てられてしまい、生存の為に窮地に陥る。
FBIに捨てられてからの生存への強い意志をひしひしと感じた。最後には生き残るのだが、観ていてハラハラした。梯子を外す振る舞いに、それはないだろうとか思ってしまった。この手の映画では、良く作り込まれたストーリーだと思うし、アクションもかなり良い。理不尽さを感じてしまうのを除きたら、快適に観れる作品だと思う。
【小説】脇坂副署長の長い一日/真保裕一
真保裕一著の『脇坂副署長の長い一日』を読んだ。
アイドルが一日署長をするイベントの時に、9年前の事件が絡んできたりと、脇坂副署長が一日中駆け回り、9年前の事件の真相に辿り着くという話。
色々な出来事が出てきて、状況がカオス的になるが、最後には1つにまとまるという手法を用いた警察小説。あまりミスリードがないから、読みやすい内容となっていると思う。言い方を変えれば、あまり捻りがない分、退屈する可能性もある。
しかし、いくら犯罪者の雇用をし、社会に貢献している社長といっても、9年前に死刑もありうる殺人放火事件を隠し続けていたのに、9年後に自白したから、情状酌量を望むとかありえる?死んだ人が浮かばれないだろう。なぜ、こういうことを平気で書くのだろうか?自白したといっても、9年後。その間、平気で社長として、悠々自適に暮らしているのはおかしいだろう。理解ができない。
読みやすい小説ではあるが、何か満足ができない作品。小説ないぐらい正義が成り立つというのが個人的には好み。関係ないかもしれないけれど、日本の中途半端な考え方が影響しているのかもしれない。いじめを例として、いじめがあったら、いじめられる方にも問題があるという答えもありえると考えられている。いじめられる側を徹底的に観察して、何か失言があったら、いじめられる側も悪いみたいな。本質はそこ?いじめという行為が良いか悪いかが議論されないといけないのに、加害者は悪くないみたいになってしまっている。このような意味不明な考え方が、殺人を犯した犯人を人情話に変えて、本質をあいまいにする傾向になっている。この傾向がこの本に影響を及ぼしているかもしれない。何度も言うが、小説ぐらいは、正義がなされるということを望みたい。
【映画】パワーゲーム
映画『パワーゲーム』を観た。
社長に産業スパイを依頼される。拒否をしたが、会社の金を飲みに使い込んだことがばれて、引き受けないと法で裁かれると脅される。スパイ先で、情報を盗んでいたが、それ自体が罠だった。絶体絶命のピンチだった主人公は、スパイ元の社長とスパイ先の社長を罠にはめて、自分は罪には問われることがなかった。最後には、利用していた女性との縁も戻って、ハッピーエンドで終わった。
良くわからないが、産業スパイを命令されて、断れなかった理由が、会社の開発費を自分たちメンバーの飲み会に使ったことが原因。たしかに、産業スパイをしている最中に、メンバーの命を消されたりしたが、産業スパイをする原因は、主人公に原因があるとしか思えないのだが……。いつの間にか、主人公が悲劇のヒーローみたいになっているのを首を傾げながら、どうなっているのだろうか?と頭を悩ます原因となっている。う~ん、何か見落としとかあったのだろうか?主人公が災いを引き寄せたとしか思えない。このスパイ元とスパイ先の社長は権力者であって、腹黒いところがあるのだろう。それはそれでダメかもしれないが、主人公の産業スパイはどうなるの?FBIに協力したらから不起訴になったとあったが、どうも腑に落ちない。主人公も悪くない?そうとしか感じられなかった。
産業スパイというか、結局は情報は外に漏れるものなのだろう。日本とか根回しの文化だから、情報は多くの人間で共有して、責任の所在をわからなくする。そういう状況で、情報が守られるわけない。アメリカは厳しそう。まぁ、わからないが……。
この映画をどう考えるべきか?ストーリーに微妙なものを感じたので、あまり高い評価ではない。色々とアイデア満載の最先端技術には満足できるが。でも、やっぱり映画はストーリーだよね。イマイチな作品だった。
【映画】狼の死刑宣告
映画『狼の死刑宣告』を観た。
子ども2人の4人家族で幸せに暮らしていた。しかし、ギャングが自己顕示の為に、息子の1人が殺されてしまう。父親(ケヴィン・ベーコン)は、ギャングの1人に復讐をする。ギャング側もさらに報復。奥さんが殺されてしまい、もう一人の息子も意識不明。父親はギャングのアジトに乗り込み、ギャング全員に復讐をする。
ケヴィン・ベーコン主演のアクション映画であるが、ストーリーはそう目新しいものではない。普通の保険会社の社員が銃を簡単にマスターできるのか?という基本的な疑問があるが、アクションも悪くなく、王道的な映画として楽しむことが出来た。
復讐は是か非か?しかし、やり返さないとやられっぱなしになる。難しい問題だよね。泣き寝入りしたら、ちょっかいを掛けられないのか?選択肢があるようでない。
まぁ、難しいこと考えずに、王道映画だから、単純にストーリーに沿って、楽しめばいいだけの映画だった。
【映画】エクスポーズ 暗闇の迷宮
映画『エクスポーズ 暗闇の迷宮』を観た。iTunes storeで102円でレンタルできた。
神に愛された女性?でも、実際は悲しい真実が待っていた。神を目撃したかのようだったが、実際は性的暴行を受けて、頭がおかしくなっていただけ。加害者を殺害して復讐するという結末は、何とも言えない内容となっていた。
キアヌ・リーヴス出演。でも、主役ではない。有名ハリウッドスターがチョイ役として出て、人気を取ろうとする作品が多いような……。かなり贅沢な使い方をしているので、あのキアヌ・リーヴスがこんな役で満足しているのか?という疑問も湧いてくる。
性的暴行はいけない。しかし、復讐で殺害するのもいけない。こういうデリケートな問題は、どう回答を得たらよいのか?何かしらの復讐をしないと、加害者側は何も起こらないと図に乗るだけで、同じことを繰り返すだけだろう。世の中には正義はないのか!!と思ってしまう。まぁ、そんな世の中ではないと信じたい。
キアヌ・リーヴス好きには物足らない本作。キアヌ・リーヴスが主演している映画の邦画観たいよ!!と思ってしまう。何か物足らないし、キリスト教に深く関係した感情も理解しにくい。少し不満が残る作品だった。
【小説】石の猿(上)/ジェフリー・ディーヴァー
ジェフリー・ディーヴァー著の『石の猿(上)』を読んだ。リンカーン・ライムシリーズの第4弾。
中国の密航船がアメリカに。その船にゴーストと呼ばれる蛇頭の頭がいた。ゴーストは国際指名手配をされており、リンカーン・ライムらはゴーストを捕まえようと捜査を開始した。
このシリーズは、アッと驚く展開が売りのシリーズなのだが、だんだんとその技法(読者の裏をかく)が頻繁に出すぎて、読むのに疲れるようになってきた。正統派の小説の中で、アクセントとしてその手法が現れるのならよいが、頻繁にはね。小手先の技術に頼りすぎてない?と穿った見方もしてしまう。本筋のストーリーは相変わらず、面白いが何か不満が残ってしまう。
20年ぐらい前の作品なので、まだアメリカ優位が圧倒してた時代。アメリカに希望を抱いた中国人。密航してまでもアメリカに渡りたいという願望。今の時代では、アメリカの幻想は、中国人の中で薄れてきているのかもしれない。
たしかに、安定して面白いリンカーン・ライムシリーズだが、1作目の衝撃には遠く及ばない。最新刊は第20弾ぐらいいっている?このシリーズの行き着く先とは?注目に値する。