【読書】訣別(下)/マイクル・コナリー

 

訣別(下) (講談社文庫)

訣別(下) (講談社文庫)

 

 マイクル・コナリー著の『訣別(下)』を読み終わった。上巻を読んで、続きが気になりまくっていた下巻。でもね~。二転三転するストーリーが特徴とか評価されていて、小説を読んでいる最中に、あれ?もう、事件が解決したのだけれども続きは何があるの?とか純粋に物語を楽しむことなんて出来ない!!これから、ストーリーが逆転するのだろうとか予測してしまい、ちょっとだけ、自分の感覚に嫌気がさした作品でもある。

上巻であった2つの事件。金持ちのお爺さんの子孫探しと連続婦女暴行犯の捜査。この2つの物語が繋がるのか!!とか思っていたけども、独立した2つの物語だった。最近、伊坂幸太郎の『クジラアタマの王様』という作品を読んで、群像劇風の作風で最後に1つにまとまる形になるのというのを読んだばかりなので、そういうのを期待していた部分があったのだろう。独立した2つの物語でも全く問題がない。それぞれが同時進行している中での捜査であったりが緊迫感を生んでいた。上記したが、二転三転するのだろうという知識が植え付けられていたので、驚きはすくなかったのが悔やまれる……。これは、アガサ・クリスティの作品における犯行動機が一番濃い人物は犯人ではない。という知識といというか、読もうとする人が少ない作品なのだろう。読んでみたら、アメリカで評価されるのがすぐにわかる!!そんな作品だった。

二転三転するストーリーが売りとかある意味でネタ晴らしになっているような……。売る側ももっといいキャッチフレーズとか思いつかないものか?少し不満に思いつつもとても楽しめた作品だった。