【小説】ザ・フォックス/フレデリック・フォーサイス

 

ザ・フォックス

ザ・フォックス

 

 小説『ザ・フォックス』を読んだ。

国際謀略小説で、御年80歳の重鎮が書いた作品。

現実の出来事と小説が絡み合って、緊迫感があふれる作品となっているが、説明文が多すぎて、小説を読んでいる気がしない部分も気になった。

様々な国際ニュースとリンクされるアスペルガーの天才ハッカーの成果。しかし、本人は国に貢献する気はないみたい。こういう時に、アスペルガーの天才ハッカーがいるとして、国のハッキング行為に協力させることとかあるのだろうか?命も狙われているし……。しかし、アスペルガーで超人的な能力を得ているという設定は現実的なのだろうか?はっきり言って、スーパーコンピューターで出来ないことが出来る天才は存在するのだろうか?そういう意味では、著者は少し前の発想の持ち主なのかもしれない。天才の登場に憧れる時代は終わったと思うのだが……。

様々な国際的な人物が実名で挙げられている。北朝鮮金正恩など。しかし、ロシアだけ実名を使っていない。なぜなのだろうか?う~ん、逆に小説でも実名載せたら……どうにかなるの?恐怖心がかなり伝わってくる。

国際謀略小説。たしかにスパイ小説は面白いと思うが、内容は新しいが、形式が古くも感じた。80歳の重鎮が書いたから、仕方がないのかもしれない。古いスパイ小説ファンには垂涎ものの作品だろう。個人的には新書を読んでいる感じがした。